松江豊寿の武士の情け(徳島)
2013年も残すところあと5日になりました。
今年も、たくさんのご縁のお陰様で、ご紹介したいところはまだまだ残っているのですが、残り5日となってしまいました。年内は無理でも、死ぬまでにはご紹介しますので、楽しみにしていてくださいね。
今年は、日本人と麻という植物のつながりを知るための取材に多くのエネルギーを費やしました。
中でも、徳島県吉野川市で開催された「日本麻フェスティバル in 吉野川 2013」は、感動の連続。初の徳島の旅でしたが、自然療法の友人の力強いサポートもあり、徳島、という土地が、うんと身近になりました。
私だけではなく、日本にゆかりのある人たちみんな(国境など関係なく)が、徳島とつながっている歴史も知りました。
それについては、いつか阿波歴史民族研究会の記事にてご紹介するとして、今回は、私が今年最も感銘を受けた、ある武士をご紹介します。
大麻という植物は、縄文時代から私たちの生活を支えてきたかけがえのない存在です。それらをどのように、育て、寄り添えば、金にも勝る宝になることを、私たちのご先祖様は知っています。
それが日本でできたのは、各地で内戦はあったにせよ、麻に限らず、稲作をはじめとした農耕に取り組む庶民の暮らしを、守り抜いた国だったからのこと。たまたま、島国だったから、鎖国してたから、、、いろんな事情があるにせよ、今2013年の現在もまだ、かろうじて50軒の農家が、世界では例を見ない麻の栽培方法を代々守ってくれています。
これは、日本人だから偉い、とかではなく、ここまで受け継いできてくれて、それを惜しみなく次世代に共有してきてくれたこの土地と人の奇跡。ハーブの歴史を学ぶと、実はどこでもかしこでも、地球上のあちこちで、こういう奇跡は起きている。(もちろん、人間の欲が生んだスパイス戦争など反面教師もあります)
この価値観を育んできた日本という国の役割は、経済社会においてはうんと大きいのです。強調しておきたいのですが、これは、日本人だからではなくて、植物と寄り添う生活に気が付いた人たちはみんな、ギブ&ギブ以上のことを実践していらっしゃいます。
そして、ここ徳島には、その面影、いえ、証拠がたくさん残っていました。
その一つは、自然療法仲間の友人が連れて行ってくれた「鳴門ドイツ館」にありました。
このドイツ館は、一人の武士によって、生まれました。名は、松江豊寿。
第一次世界大戦中、武士の情けを貫いた、会津藩出身の本物の男。
その物語は、映画にもなっていて、2006年に、「バルトの楽園 」という作品がDVD化されています。
私は、全く知りませんでした。ドイツ医学を学んでいる者として、ドイツ人がたくさん出演していて、日本とドイツの歴史に関係する、見習うべき武士と義勇兵との交流に触れることのできる、この史実を知らないことは、とてもショックでしたが、今年知ることができて、本当に良かったです。
・・時は、さかのぼること約100年。
1914年に勃発した第一次世界大戦中、東洋の真珠と謳われていた青島での対戦で堕ち、捕虜(当時は俘虜と呼ばれていました)となった4791人のドイツ人たち。
俘虜となった「祖国のために戦った義勇兵たち」を、ハーグ宣言にあるように人道的に待遇するように貫き、捕虜たちの生活をより快適なものとすべく普請し続けた板東俘虜収容所の所長、松江豊寿という人が、この国にいたこと。
彼を支える軍人たちと、ドイツ人俘虜たちとの交流は、本来の人間らしい生き方を教えてくれます。
対戦国への怒りや憤りの感情にとらわれず、人間として、尊重しあい、交流したご先祖様たち。
彼らの功績が教えてくれるのは、私たちは、絶対に、私利私欲という低レベルのエゴの奴隷となって、他者を殺すという愚行を、卒業する勇気ではないかと思う。
日本で初めて、ドイツ人による演奏で、ベートーヴェンの歓喜の歌「第九」が演奏された地が、鳴門市大麻町坂東だったこと、そしてここは、阿波国一の宮、大麻彦神社がある日本人にとっての魂の故郷であること。
阿波という地にたどり着いた、阿波忌部の先祖たちが、二度と人を不幸にする争いを繰り返さにために和を持った国としたのが始まりだとするならば、松江豊寿の存在は、阿波忌部の遣いとみることもできますね。
実際の俘虜の言葉は下記に紹介されています。
http://www.jiyuushikan.org/jugyo/jugyo55.html
引用
●ポールクーリー(リューデンシャイト市在住)
「私は、今度の第二次世界大戦にも召集をうけ、運わるくソ連の捕虜となり、1956年に解放されましたが、ソ連のラーゲルで冷酷と非情をいやというほど知らされたとき、私の脳裏に浮かんできたのは、バンドウのことでありました。バンドウにこそ国境を越えた人間同士の真の友愛の灯がともっていたのでした。…私は確信をもっていえます。世界のどこにバンドウのようなラーゲルが存在したでしょうか。世界のどこにマツエ大佐のようなラーゲルコマンダーがいたでしょうか。」
引用終り
「祖国のために戦った」義勇兵たちの生活を、より、快適なもの、とすべく尽力した一人の武士。
私にも、その武士の情けの血が一滴でも流れているのなら・・
ハーブ療法という素晴らしい技術で、幸せになるために必死で頑張っている私たち現代人の生活を、より、快適なものとすべく、尽力したいと思うのでありました。
かなり有名な方なので、多くの方はご存知かと思いますが、まだの方は、年末、あるいは年明けに、松江豊寿
という魂を揺さぶるサムライの智・仁・勇の人生に触れてみてくださいね!
↑徳島ツアーで、徳島の自然療法仲間の友人と。その節は本当にお世話になりました★すっかり徳島ファンになってしまいました、これからもよろしくお願いいたします!
クプクプ ホリスティックアロマテラピー&フラワーエッセンス
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