響きの杜お盆特別企画1 「アイヌモシリ一万年祭」
今年も、8/15が巡ってきました。
この夏は、父の故郷「北海道」にて、響きの杜 お盆~迎え火・送り火~特別企画(札幌)のお手伝いをさせていただきました。
4日にわたるレポートなので、1日ずつ、ご報告します。
●8/11 「アイヌモシリ一万年祭」
毎年、アイヌの里のひとつである二風谷で、開催されているこの「アイヌモシリ一万年祭」。
アイヌ語で、新しい風を意味する「アシリ・レラ」さんが、30年前に始めたお祭りです。
↓アイヌの女性長老アシリ・レラさんと、『響きの杜クリニック』の西谷院長と一緒に、アイヌの里にあるチセ(家)を背景に
「アシリ・レラ」さんは、実子の他、何十人もの子供を育てていらしたビック・ママ。
自分の子供だけではなく、何十人もの子供たちを預かり育てる。すごいことです。なかなか、出来ることではありません。繰り返しますが、本当に、すごいことです。
そして、アイヌ人が伝承してきた暮らしを、次世代にも受けつくことができるように、と、このお祭りを始められました。
西谷先生は、ご家族やお仲間と、6年前から、毎年、二風谷を訪れていらっしゃいます。
●カムイノミ
わたしも、今年は、北海道にいる親戚とともに、当日のカムイノミ(神様をお迎えする儀式)に参加させていただきました。
カムイノミは、大自然とご先祖に祈りをささげるアイヌの人々の大切な行事。このイベントは、1週間続きます。
アイヌの人々も、高度な技術を持ちながら、自然破壊につながるような技術に対して、抑止力を働かせた暮らしを、1万年以上前からずっと続けてきました。今もなお、その精神は引き継がれています。
必要以上のものはとらない。そういう哲学を、ずっと、1万年以上前から、今まで、引き継いできたのです。
悲しいことに、当時の和人の、非情な政策により、その暮らしは失われつつあります。
けれど、アイヌの誇りと精神は、決して埋もれることなく、アシリレラさんをはじめ、多くの人々によって、引き継がれています。
今では、世界中から、多くの人が集まる一万年祭。
アイヌをはじめとした、世界中の先住民たちへの敬意と、人間同士が争い奪い合うことは必要がない、ということをご先祖さま、自然の神々と共に確認し合う日。
●アイヌモシリの意味は、『静かなる人間の大地』
アリシレラさんからのメッセージを下記に。
「一万年前は全ての民は神の子で、
大地は ウレシパ・モシリ(互いに育ち、育み合う大地)であったのに。
人間は欲のために殺し、奪い合い、 血と破壊の歴史は繰り返された。
一万年前の原点に戻ろう」
アシリレラさんは、シャーマンの役割も。
わたしも自然療法を愛し、実践する者として、レラさん、西谷先生、そして一万年祭に集まるみなさまの祈りと行動に、心を打たれました。
●日本列島祈りの旅
「北海道日高地方のアイヌの聖地を巡るツアー」
西谷先生は、アシリレラさん、天外伺朗さんとともに、北海道にて、祈りのツアーを主催されたそうです。
そのときのお話しは、正に今回のお盆特別企画のテーマでもある、「愛と赦し」でした。
下記にそのときの様子が紹介されています。
日本列島祈りの旅「北海道日高地方のアイヌの聖地を巡るツアー」
1669年にアイヌの英雄シャクシャインが、松前藩に撲殺され、残された人たちに今も守られている「シャクシャインの銅像」。去年、先生たちの祈りのクルーは、この銅像の前で、奇跡的な出来事を体験されました。
書くと長いのですが、この写真を観るだけでも、とても意味があるので、ホロトロピックさんのサイトより、ご紹介させていただきます。
天外伺朗さんの言葉
「世界中どこを探しても「正しい歴史」などは存在しない。事実を追うより、苦しんでいる霊の想いを引き受け、供養し、争いや戦いの少ない社会を建設することの方が大切な気がする。」
北海道150年は、和人からしてみれば北海道を制圧した日。
先住のアイヌの人々にとっては、1万年前から受け継がれた文化を奪われた日。
もともと、北海道は、アイヌモシリ、という名だったそうです。
その意味は、『静かなる人間の大地』。
今の北海道の90%が、原生林で覆われたといいます。
そうれは、想像を絶す得る静寂で、まさに神のおられる静かな大地だったことでしょう。
二風谷の一万年祭とカムイノミで始まった響きの杜 お盆~迎え火・送り火~特別企画(札幌)。
記事をまとめている今日は、8/15。子どもの頃から、終戦記念日と教えられて来た日です。
多くの日本人は、黙祷の時間を持つ日です。
わたしたちは、戦争で失われた沢山の命の上に、今この瞬間を生きています。
米国やフランスでの、第二次世界大戦の終わりは、9月2日。
8/15は、日本が、ポツダム宣言(米・英・中華民族国の名で発せられた日本に対する降伏勧告宣言)を受け入れただけで、日本内では終戦で通じるけれど、世界では通じないそうです。
1945年9月2日、東京湾に停泊していた米国戦艦ミズーリ号で、降伏文書に署名したときが、第二次世界大戦の終わりなのです。日本は負け、日本人は戦争という大義名分の元、多くの人々を殺し、沢山死にました。
終戦ではなく、降伏をした。
この厳しい現実から目をそらし続けた結果が、今の外交に現れている、と、元外交官の孫崎亨氏は「戦後史の正体」で述べています。
今年は、戦後73年。追悼。
もう知らなかった、と後戻りをすることは出来ない。
父の故郷、アイヌモシリが、近くて遠くに感じる、一万年祭の体験でした。
知れば知るほど、自然と共に生きたアイヌの人たちの文化に感服します。
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